結成5周年記念 です。ラビッツ ACOUSTIC FESTIVAL Vol.2

とかく日本のバンド(ロック、ポップス、アイドル)は長く続かない。これは日本独特の風土にあると前から考えている。

バンドとしてそもそも成功する確率は低く、学生の頃に同じクラスの仲間、同級生、軽音楽部から始まることが多い。

音楽やアイドルが大好きで小さなら頃から憧れを持って集ったメンバーが学業をしながら、働きながら活動を続け成功を勝ちとるには中々至らないし成功はひと握りである。

そこには当然自己犠牲も伴う。社会での理解の低さ、親御さんの思い。上げればキリがない。

活動の終わりの大抵は方向性の違いがオフィシャルで発表される一番多い理由だと思う。その裏側には表には絶対に出てこない確執や私利私欲が複雑に絡み解散に至るケースが多いと思う。 こと、アイドルとなると進学や異性スキャンダル。最近よく目にする運営の執拗なまでの追い込み、金銭トラブルは耳にすると悲しくなる。

アイドルは5年続けは良い方なんじゃない? と囁かれるのも分かる話で、現在、日本のアイドルが5年続いているグループは数える程度になる。ましてやメンバーチェンジを行わずにとなるとどうなのか? 調べた訳では無いので正確には分からないが、です。ラビッツはそんな希少価値のあるアイドルグループであると思う。

2018年11月11日 結成5周年という節目の年に開催されたアコースティックライブを観てきた。

今年開催された私の中でベストなライブになったL-1グランプリの準決勝の舞台となった思い出のライブハウス青山RizMである。

15時の開場後は前物販もあり、この日から発売が開始されたビッグ缶バッジが好評で私も4つ程購入した。コンプリートは目指していないが集める、交換し合う楽しみは良いものだと思う。

「969」、「RY's」さんのステージは見応えがあり、メロディアスで華があり、曲を聞いた事は無いがアコースティックバージョンの曲は聴きごたえがあった。どちらも今後のですラビとの対バンが決まっているようなのでその際はじっくりと改めて観たいと感じた。

定刻の時間となり、暗転し登場してきた3人はJKラストツアーで使用している制服姿。 椅子に腰掛けてピアノ、ギター、パーカッションの前奏から始まった曲は"I'm Hear"からスタート。 前回のアコースティックライブと明らかに違うのはパーカッションが入ったこと。

静かにボーカルを際立たせるだけならギターやピアノソロでも十分なのだがパーカッションというスパイスが加わったことで煌びやかに、よりバンドスタイルが強調されて聞き心地が向上したし、別バージョンに進化したといって言っても過言ではない。 メンバーも緊張の中、前を向きひたすら感情を込めて歌い上げた。

MCが入り柚から結成5周年を迎えての感謝の言葉。新たに加わったパーカッション小宮山さんの紹介。 そしてですラビッツも活動を5年が経過し、あっという間だったとの感想。

今日は"この6人で素敵な音をお届けします"と挨拶。

続いては、アコースティックバージョンでは初の"失恋したらWASABI"。 会場からはおおと感嘆の声が上がる。

この曲は柚のファルセットも入り、アダルティな曲調となり新たな一面が伝わりとても感動した。愛実ちゃんのソロパートを感情込めて歌いきる。

終わりのMCで柚から、この曲はボサノバ調であったとのこと。 この時初めてボサノバなんだと会場の殆どが納得したと思う。 愛実ちゃんはボサノバ?「お茶の間?」だったら分かるけど... 夏鈴ちゃんも「知らなーーい。」と会場の笑いを誘う。

ここでも5年は早かったよねと振り返る。 ライブの回数(じんさん曰く650回位)や記憶に残っているライブの話や生誕、海外ライブ、ワンマンライブ、1番最初に撮ったPVの話などいつもの緩ーーいMCになった。 愛実ちゃんの身長の話も触れたかな。(記憶が曖昧)

次の曲は柚がアコースティックと言えば? 愛実ちゃんのソロだよねと始まったのは"○○へ"

愛実ちゃんはこのソロ曲を抑揚と感情を込めて歌う。変声期を迎えアルバム収録の頃のキーは出せないがビブラート、ファルセットの使い方が本当に上手くなったと思う。

最近の愛実ちゃんは歌を上手く伝えることから少しキーが外れても感情乗せて歌う術を掴んできている。 もちろん伸び代はまだまだあるしもっと自分の歌で遊んで行けるようになるともっと素晴らしいシンガーになると思う。 現時点での成長に思わず目頭が熱くなった。

次の曲はこの5年間の感謝の気持ちを込めて歌いますと、始まったのは"本当の世界中にありがとう"。 笑顔を交え和やかな雰囲気が伝わりとても良かった。曲中に改めてアコースティック演奏の方の短いソロを交えて紹介された。

MCでは12月に開催される16日のラウドルフェス、24日の柚生誕祭、翌25日のワンマンライブが発表された。 柚は初めての誕生日開催への喜びど平日なんだけどそこは皆んな休み取って来るんだよ!!とパワープレイも入り会場からはなんとも言えぬ空気に(笑)

時間はあっという間に最後の曲に。

始まったのは"うちゅちゅ"からのメドレー。 この曲もアコースティックになるとまるで別の曲になり非常に興味深いし3人のコーラスも良かった。

"お洒落キャパ部長と歪み" はワンフレーズのみだったが柚、夏鈴ちゃんの今日一番のファルセットが聴けた。そして"うさぎのダンス"のラストサビへと上手く繋がった。

続く"みんなおいでよ!ですラビランド"は落ちサビの部分を3人で歌う笑顔が印象的。 メドレー最後は"LASTSONG"でしっとりと歌い上げてフィナーレを迎えた。"LASTSONG"はアコースティックバージョンでも素晴らしい。落ちサビの愛実ちゃんのソロパートは素晴らしかった。

メドレーは流石プロフェッショナルなアレンジで纏められていた印象がある。"失恋したらWASABI"然り、ですラビの曲を旨く調理して頂き改めてありがとうございますと感謝の意を述べたい。演奏も素晴らしかった。

切に映像の公開を願いたい。

最後に...

結成5周年の記念すべきライブはアコースティックライブという変則的な開催になったなあと、そんな印象を持ちながら当日を迎えたが蓋を開けたら、メンバーの成長を肌で感じることができ、非常に貴重で有意義なライブになったと思う。 結果オーライが適切な言葉であるかは分からないが、そう思える感動的なライブとなった。

メンバーチェンジも無く5年間やってこれたことは誇りに思って欲しいし、夏鈴ちゃんは"天真爛漫"さに大人の色気がプラスされ、愛実ちゃんの"歌"に向き合う姿勢やこだわりに拍車が掛かり、柚の変わらぬリーダーとしての重要な役目。 部長のいつまで経っても中2みたいなギラギラした目付きを持っていて(普段はマスクをしているので想像笑)、広告塔であり企画発案力は突出している重要なメンバー。

この4人の個性が突出していて一見まとまりが無いように見えるがメンバーお互いがリスペクトしあい根底で仲が良い。兎に角仲が良い。 こちらも見ていてホッコリした気持ちになる。

仲良しクラブではプロフェッショナルとしては不向きなのかも知れないが、そこは貫いて欲しい。他のグループには無い強みだと思う。勿論、ダンス力や歌へのこだわり、楽曲の良さ。ここに来てメンバーの女性としての成長も加味されて、上げると色々と武器はある。

これからの方向性が気になるところではあるし大いなる可能性が秘めていると思う。

そして、です。ラビッツは6年目へ。

【セットリスト】

I'm here

失恋したらWASABI(ボサノバ調)

○○へ

本当の世界中にありがとう

うちゅちゅ〜 お洒落キャパ部長と歪み〜うさぎのダンス〜みんなおいでよ!ですラビランド〜LAST SONG(アコースティックメドレー)

【アコースティック演奏】

キーボード 土屋佳代

ギター 浜口高知

パーカッション 小宮山斉